「俺も普通の青春を送れたのではないか?」という幻想からの卒業

今週のお題「〇〇からの卒業」

恥の多い生涯を送って来ました……


3月、卒業式の季節ですね。
私、卒業式という言葉を聞くと胸の奥底から這い出て来た闇に
胸が締め付けられ、のたうち回りたい気分になります。

なぜなら、大学生のとき劣等感にまみれ卒業式から逃亡したからです。


卒業式に来ている人は、大学生の集大成と将来への希望で感無量になり
凄く光輝いているはずです。


そんなところに当時の私が行こうものなら
劣等感なんやらの心の闇に一気に押しつぶされて、
どうにかなってしまうと思ったのです。

 
劣等感にまみれるということは、

よっぽど暗黒の青春を送ってきたのだと思われるでしょう。


はい、私の大学生活は、本当にクズそのものでした。

サークルに入って、汗を流すわけでもなく

恋人と甘い思い出を作るわけでもなく、

勉学に励んで、学生の本分を果たすわけでもなく

インターン・起業といった将来の目標に向けて動いていたわけでもありません。

 

ただ、家に引きこもって、youtubeをぼうっと見たりしている間に

大事な四年間が溶けていきました。

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本当にこんなクズみたいな大学生生活でした……


 ダメ大学生を描いた『全員くたばれ! 大学生』という漫画の、主人公の亀田もなかなかの陰キャ・クズ大学生ですが、私の大学生活よりは彼よりも酷いかもしれません。

 
なぜなら、彼は陰キャグループではありますが集団に属したり、陽キャグループに入ろうと、もがいていますから。

 
私の場合はそういう努力も全くのナッシング。
クズの物語にもならないほど、何もない生活でした。

読んでて心が痛かったですが、ハラハラする展開もあり非常におすすめです。

 

 とまあ大学生時代は、亀田と同じくルサンチマンをためる生活でしたが、

本当に問題となってくるのは大学卒業後です。

 

 こんなクズみたいな大学生生活を送っていたことへの後悔が

怒濤のように押し寄せ心を蝕み始めたのです。

 

サークルで恋に友情を謳歌する大学生

飲み会で思いっきり楽しむ大学生

意識高く積極的に行動し、将来につなげていく大学生

皆がかけがえのない貴重な時間を精一杯謳歌しているときに

お前は何をしていたんだと。

 

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
もう、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ

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やめて、本当に……

その苦しみは、形を変え幾度も襲ってきます。


あるときは夜中にフラッシュバックとして


社会人の単調な生活を送っているときに、
「ああ、楽しめるのはあのときだけだったのに」という激しい後悔として

 

周りが楽しい大学生生活を語っている場で、
果てしない劣等感と居心地の悪さとして

 

何度も何度も苦しむことになります……


いや、自業自得というほかないですが、

当事者本人としては、なんとか解決法を見つけないと生きていけません。

 

大学卒業後、無事ひきニートになった私は
有り余る時間を活用し、この苦しみと決別できる方法を探り続けました。

 

そのなかで、はっと目が覚めるような言葉を見つけました。
森見登美彦先生の『四畳半神話大系』に登場する樋口というキャラの台詞です。

 

我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根源だ。今ここにある君以外、ほかの何物にもなれない自分を認めなくてはいけない
ーー森見登美彦四畳半神話大系』より

 

 我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる……

そうです、私も「普通の青春が送れている人生」を夢想することで苦悩しています。

 しかし、いくら悩んだとしても過去は変えられないし、このクソ野郎の自分とこの先ずっと付き合っていくしかないのです。
だから台詞の『今ここにある君以外、ほかの何物にもなれない自分を認め』生きていかなければならないのです。

 

さらによく考えると「俺も普通の青春を送れたのではないか?」という考えも幻想だと思うようになりました。

 

なぜなら、

中高でも友達多くなく、一人でいることが多かった。

入った大学が第一志望じゃないと、めちゃくちゃいじけてたし。

元々、自堕落の固まりでダラダラするだけの生活だった……

 

ifはなかった。

 

ええ、もう一度大学生活を送っても、普通の青春を送れたとは到底思えなくなりました。選択ミスとかではなく、自分の生来の気質から生まれた当然の帰結だったのです。

 

あっ、解決しちゃいましたね。

 これにて一見落着。めでたし、めでたし……

 

 そんな簡単に解決するわけがありません。

上記の台詞にもの凄く感銘を受けたのは事実です。理論的には解決しています。

しかし、人間の感情とは面倒なものです。


頭では分かっていても、感情は思い通りには動いてくれません。

苦しみは続くことになります。

しかも当時クソニートとして、真っ暗な未来におびえていた私は、
度々鬱々として気持ちになり、この苦しみ地獄に戻ってしまったのです。


その後、両親とハローワークの支えにより、なんとかサラリーマンの末端になれた後も苦しみのループは終わりませんでした。

 
しかし、あるときから「そういえば、最近はフラッシュバックとかしてないな」と感じるようになりました。

 
なぜかと考えてみると単純に他に考えること・やることが増えたからです。

仕事はもちろん、ブログ、最近始めたVRchatなどなど。

いくらでも時間があるニート時代と違い、過去のことをウジウジ考える暇がなくなったのです。

 

もちろん完全に消えたわけではなく、今でも楽しそうな大学生などが画面が映ると

速攻で画面を消します。

「学生時代に彼女作っておけば、30歳童⚫の恐怖に晒されることもなかったのに」ともだえることもあります。

 

しかし昔より、苦しみの頻度が減っているのは確かだと思います。

ブログ記事に書けているのも、冷静に振り返ることができるようになった
証拠でしょう。


ということで、「俺も普通の青春を送れたのではないか?」という幻想からの完全に卒業できたわけではありませんが、

半分ぐらい卒業できたかなという話でした。

 

ここまで書いてきたことが、
自分と同じく「あり得たかもしれない普通の青春」という幻想に苦しんでいる方に

ほんの少しでも助けになってくれたら、至極光栄です……

 

 

P.S.

 

昨今、コロナの影響で修学旅行や部活の大会などがなくなり
青春の思い出が作れなくなってしまっている方が多くいます。

 

そのことを聞く度、申し分けない気持ちでいっぱいになります。

その人たちとは違い私は出来る状態なのに、何もしなかったと。

本当に申し分けない……

 

私に出来ることは、心のなかでひたすら懺悔するともに

少しでも世の中のために良いことをすることだと思います……

 

とりあえず、迷惑をかけた父ちゃん母ちゃんに親孝行します……

 

P.S. part2

 

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タイトルは、当時読んでいた『俺、ツインテールになります。』の影響かと思われる。

 

当時書いていた日記で、卒業式前後で発見した記事の抜粋です。

ハゲになる、つまり頭を丸めると書いてあります。

当時の私も一応責任を感じ、頭を丸めようと決心したようです。

 

いや、何もかもがどうでも良くなっていただけか……すみません。